リストカット
2008.08.16 |Category …曇り
リストカットを繰り返す方がいらっしゃいますが、
これは本人にしか理解出来ないと、私は思います。
私も何度か繰り返していましたから。
私は、家族の強い勧めがあり心療内科へ通い出しました。
当初、アモキサンやジプレキサ等を処方された記憶があります。
数ヶ月仕事をしながら通院しましたが、症状が改善せず悪化してきた為、
入院をする事となりました。
精神科へ入院する事への抵抗はありましたが。
3ヶ月閉鎖病棟へ入院し、退院後1ヶ月自宅療養をしていました。
仕事へ復帰する直前だったと思います。
自分がどんな心境だったのかは、もう思い出せません。
何故か、死のうと決意していました。
夕方から、お酒を飲み、眠剤を全て服用して。
あの状況は忘れません。
今から思えば、何故あんな行動に走ったのか不思議です。
リストカットは非常に、痛いです。当たり前かもしれませんが。
神経にでも触るのでしょうか。腕に激痛が走ります。
手に後遺症が残る方もいらっしゃると思います。
酔って眠剤が効けば、痛みもあまり感じないのではないかと単純に考えていましたが、
本当に痛いです。
そのうち、眠剤が本当に効いてきて眠るのですが・・・
こんな様な事を何度か実行したり、やろうと思っては途中でやめてみたり、
という事がしばらく続きました。
その後、少しずつ死のうとは思わなくなりました。
薬のせいだと思うこともありました。
確かに、以前は抗うつ薬を服用していましたが、100%薬のせいとも言い切れません。
十分な休息と栄養、規則正しい生活、適度な運動が良かったのかもしれません。
ただ私は、医療機関が抗うつ薬などは自殺の危険性を高める可能性があるという情報をもっと患者や家族に話す義務があるのではないかと思っています。
(今はそうなのかもしれませんが)
私は死のうとしていた訳ですが、その衝動が落ち着いてくるのと同じ頃だったでしょうか。こんな風に考え出しました。
死ぬのは、いつでも死ねる。
死んでしまうと、周りは必ず悲しむだろう。
自分の人生には、希望がなかなか持てないが、
生きていくと未来を見る事が出来る。
楽しい出来事が待っているかもしれない。
別に急いで死ぬ事はない。
次第に気分が楽になってきた記憶があります。
楽しい事を考えられる余裕も出てきたのかもしれません。
リストカットや、死への衝動に駆られるとなかなか自分ではコントロール出来ません。これは他の患者さんにも共通していると思います。
独特な思考回路に陥る、とでもいうのでしょうか。
私は何度も衝動に駆られ、切ってみたり、行為をやめたりというのを繰り返していましたが、自分の中の変化に気付きました。
「本当に死んでもいいのか?これでいいのか?」
この思いだけです。
この思いが、次第に強くなっていきました。
それから、少しずつ落ち着いていったような気がします。
家族から何度も約束をさせられた事も良かったのかもしれません。
絶対に死なないと。
何度もそういった行為に及ぶので、何度も約束していたと思います。
家族など、周りの者にすると心配しても心配しきれないと思います。
周りの家族が巻き込まれて精神科に通う方もいらっしゃると思います。
リストカットや他の類似の行為をしても、誰も何のメリットもありません。
本人も、時間が経つと自己嫌悪に陥ったりします。
ただ、
そんな事をしても周りが傷付くだけだと本人が理解するには、
時間も必要なのかもしれません。
家族や周りの理解も必要だと思います。
家族は大変ですが・・・
「本当にこれでいいのか?」
という言葉は、私を救ってくれました。
もちろん、家族が一番支えてくれているので、いくら感謝しても足りません。
死にたいという衝動などは、落ち着いてきても
消えない事があるようです。
そういった思考とは、あまり相手にしないで他の事をするのが一番かもしれません。