後発医薬品
2008.10.22 |Category …曇り
最近、テレビでも話題になっている後発医薬品(ジェネリック)についてですが、
他の方のブログで話題に上がっていたので少し書きたいと思います。
調べると、最近制度が少し変わっていることに気付きました。
数年前から医師が記載する処方箋には「後発医薬品への変更可」という項目が設けられていて、
ここにチェックが入っていれば、患者は後発品へ変更したい意思を薬局で伝え、
そこの薬局で取り扱いがあれば変更できるというものでした。
今年の4月から処方箋の様式がまた変更されていたようです。
「後発医薬品への変更不可」という項目に変わったようです。
医師がチェックしない限り、後発医薬品へ変更できるというものです。
これは院外処方箋の場合で、院内の薬局で薬をもらう場合は病院に従う事となりますので関係なくなりますが。
知りませんでした。
これからは医師へ言わなくても、薬局へ言えばジェネリックになるのですね。
もっとも、薬局が多くのジェネリックの在庫があるとは思えませんから、
「うちの薬局ではこの薬のジェネリックの取り扱いはありません。」
と言われればそれまでですが。
また、私は院内の薬局でいつも薬をもらっていますので、全く関係ないです。・・・
ジェネリックはどうなんだろうかと思われている方は多いかと思いますが、
私も分かりません・・・
少しだけ、私の知っていることを書いてみたいと思います。
薬にも特許があります。
主に先発メーカーと言われる製薬メーカーで研究・開発されていますが、
新薬を開発すると(新化学物質と言うのでしょうか)、特許期間は20年(最大で25年)です。
ですが、実際には臨床試験などで市場に出せるのはもっと後ですから、
10年~15年間の独占販売となるようです。
特許が切れると、後発メーカー各社が同じ成分の薬を出します。
先発医薬品の開発費は一般に数百億円と言われているようですが、
ジェネリックの開発費は数千万円のようです。
ですから、
先発医薬品は高くて、ジェネリックは安いのですね。
中には、古い薬は年々薬の価格の改定があって、
大して変わらないというものもありますね。
また、同じ薬のように見えますが、
成分が全く同じでもありません。
主成分は同じですが、添加物が異なるようです。
例えば、レンドルミンの主成分はブロチゾラムというらしいですが、
これは同じで、その他の添加物が異なります。
先発メーカーの特許などで変えざるを得ないことがあるようですが、
ほとんどが後発メーカーのコスト削減というところでしょうか。
先発メーカーが20年前に開発した薬よりも、
技術の向上などにより添加物が変わったともとれますが。
ですが、安全性が十分に確認された医薬品添加物辞典に載っている添加物を原則として使用していて全く問題は無いそうです。
薬を服用して、血液中の成分の濃度・時間、消化器官での溶け方など、
厚生労働省が定めたガイドラインに従っていくつかの試験をクリアすれば、
承認されるようです。
ただ、医療関係者の中には非常にジェネリックを嫌う方もいらっしゃるようです。
「当院では、ジェネリックの処方は致しません」という診療所も見た事があります。
皆さんいろいろな思惑があるのでしょう。
もっとも、国がジェネリックを推す理由は患者のためではなくて、
医療費の削減ですけどね。
私は、基本的には問題の無い制度で安くなれば何でもいいと思っています。
例えば、癌の患者は長期間抗がん剤の投与で金銭面の負担が大きいと思いますが、
安価なジェネリックにすることで負担が軽減されるなら、とても価値のある良いことではないかと思います。
抗がん剤にジェネリックがあると聞いたことはありませんが。
まだまだ国も動き出したばかりで、
賛否両論、様々な意見があると思いますが。
果たして、ジェネリックがもっと普及していくのでしょうか。
もっと分かりやすい説明を国も行わないと難しいかもしれませんね。
※もし内容に誤りがあればご指摘下さい。
少し追記します。
ジェネリックは先発医薬品と主成分が同じです。
違うと異なる薬になってしまいます。
効能・効果、副作用などは主成分によるものです。
その他の添加物は、効能・効果、副作用とは関係はありません。
ですから、
主成分が同じであるジェネリックは、
先発医薬品と効能・効果が同等で、副作用に関しても同じ、
という解釈がされています。これは国が定めた基準です。
(厳密には、主成分が同じだけではなく、溶け方や血中濃度推移が一定の範囲内であるなど、いくつかの基準を満たす必要があるようです。)
副作用などは先発メーカーが臨床試験や販売後の調査で分かることなので、
後発メーカーは先発メーカーのデータに依存しているようです。
ジェネリックの副作用を調べたくなりがちですが、
主成分が同じなので、先発メーカーの提供している副作用のデータと同じということになります。先発医薬品とジェネリックで副作用が異なるということはあり得ません。
基本的には、長年先発メーカーが販売してきて副作用などのデータが揃っているので、後発メーカーはあえて情報収集をする必要が無いという考えのようです。
製薬メーカーが提供している関係者向けの添付文書には(ネットで閲覧できます)、効能・効果、副作用の記載には先発医薬品とジェネリックとでは大した差はありません。(薬剤師さんが見るような情報なので、難しい内容の部分が多くありますし、良い事も悪い事も書いてあるので、見ない方が良いこともありますね・・・私はショックを受けた覚えがあります。)
ですが、中には添加物の違いからと思われる差もあるようです。
例えば、シップは張り付き方や匂いが異なるという意見を聞いたことがあります。
添加物の違いで起こるアレルギーも存在するようです。これはジェネリックだけとは限りませんが。同じ製薬メーカーでもカプセルから口の中で溶ける錠剤などへ変更した時にでも、添加物が異なりますから可能性があるようです。
こういった、先発品とは全てが同じでは無いというところが、
あまり普及しない一つの要因なのかもしれませんね。
他の方のブログで話題に上がっていたので少し書きたいと思います。
調べると、最近制度が少し変わっていることに気付きました。
数年前から医師が記載する処方箋には「後発医薬品への変更可」という項目が設けられていて、
ここにチェックが入っていれば、患者は後発品へ変更したい意思を薬局で伝え、
そこの薬局で取り扱いがあれば変更できるというものでした。
今年の4月から処方箋の様式がまた変更されていたようです。
「後発医薬品への変更不可」という項目に変わったようです。
医師がチェックしない限り、後発医薬品へ変更できるというものです。
これは院外処方箋の場合で、院内の薬局で薬をもらう場合は病院に従う事となりますので関係なくなりますが。
知りませんでした。
これからは医師へ言わなくても、薬局へ言えばジェネリックになるのですね。
もっとも、薬局が多くのジェネリックの在庫があるとは思えませんから、
「うちの薬局ではこの薬のジェネリックの取り扱いはありません。」
と言われればそれまでですが。
また、私は院内の薬局でいつも薬をもらっていますので、全く関係ないです。・・・
ジェネリックはどうなんだろうかと思われている方は多いかと思いますが、
私も分かりません・・・
少しだけ、私の知っていることを書いてみたいと思います。
薬にも特許があります。
主に先発メーカーと言われる製薬メーカーで研究・開発されていますが、
新薬を開発すると(新化学物質と言うのでしょうか)、特許期間は20年(最大で25年)です。
ですが、実際には臨床試験などで市場に出せるのはもっと後ですから、
10年~15年間の独占販売となるようです。
特許が切れると、後発メーカー各社が同じ成分の薬を出します。
先発医薬品の開発費は一般に数百億円と言われているようですが、
ジェネリックの開発費は数千万円のようです。
ですから、
先発医薬品は高くて、ジェネリックは安いのですね。
中には、古い薬は年々薬の価格の改定があって、
大して変わらないというものもありますね。
また、同じ薬のように見えますが、
成分が全く同じでもありません。
主成分は同じですが、添加物が異なるようです。
例えば、レンドルミンの主成分はブロチゾラムというらしいですが、
これは同じで、その他の添加物が異なります。
先発メーカーの特許などで変えざるを得ないことがあるようですが、
ほとんどが後発メーカーのコスト削減というところでしょうか。
先発メーカーが20年前に開発した薬よりも、
技術の向上などにより添加物が変わったともとれますが。
ですが、安全性が十分に確認された医薬品添加物辞典に載っている添加物を原則として使用していて全く問題は無いそうです。
薬を服用して、血液中の成分の濃度・時間、消化器官での溶け方など、
厚生労働省が定めたガイドラインに従っていくつかの試験をクリアすれば、
承認されるようです。
ただ、医療関係者の中には非常にジェネリックを嫌う方もいらっしゃるようです。
「当院では、ジェネリックの処方は致しません」という診療所も見た事があります。
皆さんいろいろな思惑があるのでしょう。
もっとも、国がジェネリックを推す理由は患者のためではなくて、
医療費の削減ですけどね。
私は、基本的には問題の無い制度で安くなれば何でもいいと思っています。
例えば、癌の患者は長期間抗がん剤の投与で金銭面の負担が大きいと思いますが、
安価なジェネリックにすることで負担が軽減されるなら、とても価値のある良いことではないかと思います。
抗がん剤にジェネリックがあると聞いたことはありませんが。
まだまだ国も動き出したばかりで、
賛否両論、様々な意見があると思いますが。
果たして、ジェネリックがもっと普及していくのでしょうか。
もっと分かりやすい説明を国も行わないと難しいかもしれませんね。
※もし内容に誤りがあればご指摘下さい。
少し追記します。
ジェネリックは先発医薬品と主成分が同じです。
違うと異なる薬になってしまいます。
効能・効果、副作用などは主成分によるものです。
その他の添加物は、効能・効果、副作用とは関係はありません。
ですから、
主成分が同じであるジェネリックは、
先発医薬品と効能・効果が同等で、副作用に関しても同じ、
という解釈がされています。これは国が定めた基準です。
(厳密には、主成分が同じだけではなく、溶け方や血中濃度推移が一定の範囲内であるなど、いくつかの基準を満たす必要があるようです。)
副作用などは先発メーカーが臨床試験や販売後の調査で分かることなので、
後発メーカーは先発メーカーのデータに依存しているようです。
ジェネリックの副作用を調べたくなりがちですが、
主成分が同じなので、先発メーカーの提供している副作用のデータと同じということになります。先発医薬品とジェネリックで副作用が異なるということはあり得ません。
基本的には、長年先発メーカーが販売してきて副作用などのデータが揃っているので、後発メーカーはあえて情報収集をする必要が無いという考えのようです。
製薬メーカーが提供している関係者向けの添付文書には(ネットで閲覧できます)、効能・効果、副作用の記載には先発医薬品とジェネリックとでは大した差はありません。(薬剤師さんが見るような情報なので、難しい内容の部分が多くありますし、良い事も悪い事も書いてあるので、見ない方が良いこともありますね・・・私はショックを受けた覚えがあります。)
ですが、中には添加物の違いからと思われる差もあるようです。
例えば、シップは張り付き方や匂いが異なるという意見を聞いたことがあります。
添加物の違いで起こるアレルギーも存在するようです。これはジェネリックだけとは限りませんが。同じ製薬メーカーでもカプセルから口の中で溶ける錠剤などへ変更した時にでも、添加物が異なりますから可能性があるようです。
こういった、先発品とは全てが同じでは無いというところが、
あまり普及しない一つの要因なのかもしれませんね。
PR